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『乱流の結晶学 植田信隆作品集 1997‐1999』 ”Crystallography of Turbulent Flow" 

 




   
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<内容 >
46ページ (写真 カラー 12ページ、モノクロ 13ページ)
サイズ 19.5cm×21cm  
<執筆者及びタイトル>
『「眼を閉じること」の意味 ― 内視の力
植田信隆のモチーフについて』  高島直之/美術評論 
『色彩の源流』  佐藤公俊/シュタイナー研究
『開放系/非平衡/自己触媒』   植田信隆
翻訳 阿部 尊美
編集、出版 植田 信隆 2000年
日本語 英語

このカタログで初めて、私は非線形性モダンの概念を明らかにした。それは、自己組織化、非線形性科学、神秘主義、場の理論などの入ったレトルトだった。それを外からではなく、内側から眺めた景色として想像していただければと思う。
     
     




『解放系/非平衡/自己触媒』     植田 信隆  
  私達は、来るべき芸術への眼差しを自らの内側へと織り込むことができる。<BR>私達は、来るべき芸術への眼差しを自らの内側へと織り込むことができる。
そして、それはいつか現実へと披きだされるだろう。 
そして、それはいつか現実へと披きだされるだろう。

現在の文化は、硬化し唯物化してゆく創造性という一つの極と創造力が矮小化し枯渇化しようとしていくもう一つの極とに特徴づけられる。私は、この作品集が、その両極に落ち込んでいく文化に対抗する流れを形成する小さなゆらぎとなってくれればよいと願っている。文化的な散逸構造と呼べるような高いレベルの新しい秩序への転換が、芸術、政治、経済、教育のなかで期待されて久しい。しかし、現実は、新しい局面を迎えようとしているのだろうか。エリッヒ・ヤンツは、「自己組織化する宇宙」の中で自己組織化ダイナミックス(「自己超越=進化)の条件として下記の三つをあげている。

・開放系 (周囲の環境との交換)
・非平衡 (体系内部への熱などの物理量の流れが存在することにより熱平衡から遠く離れた状態にあること。いわば、熱く沸き返り泡立つ状態を示す。)
・自己触媒 (生成された物質、システムが、その生成過程を加速する働きをすること。自己参照的な正のフィードバックループと考えられる。)

このような条件を充たす芸術とは、いったいどのようなものなのだろうか。モダニズムは、唯物論的であったにせよ進化の概念と科学上の教義と言ってもよい線形的な還元主義に支えられ自己参照的に発展していったし、もの派は、環境をも作品として取り込むことで開放系としての条件を充たしていた。しかし、モダニズムとそれから派生したミニマリズムは、造形要素のみを還元純化していく閉鎖系であったためにやがて閉塞したし、もの派は、ダイナミズムを持たない平衡システムであったために新たな段階へと発展しえなかった。ポストモダンは、コラージュ的に他者を剽窃することで開放系となったが自己参照性を犠牲にした。


 私たちは、「来るべき芸術」を模索しなければならないのではないか。すでに、いわゆる西欧の芸術は、唯物論的に硬直化するか、コミュニケーション論に包摂されつつある。私たちは、別の方向へ歩み出さなくてはならないのではないか。ただ、自己組織化ダイナミックスも理論であり現実を一つの断面で切って見せているにいるにすぎない。しかし、ある時代にどの断面を切ってみせるかは、どうでもよいことではないし、どの方向へ歩みだしたのかを確認することは、重要なことであろう。私は、この小さなゆらぎから新しい秩序への動的転換が、才能ある人々によって成し遂げられることをこの文化的危機の時代にあっても信じている。
  
     





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